市街化調整区域の土地は購入しても大丈夫?購入前に確認すべき5つのポイント

解説
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土地を探していると、「市街化調整区域」という言葉を目にすることがあります。

市街化調整区域は、市街化を抑制するために定められた区域です。そのため、市街化区域と比べて建物の建築や土地の開発にさまざまな制限があります。

しかし、市街化調整区域だからといって、すべての土地に建物を建てられないわけではありません。一定の条件を満たし、都市計画法に基づく許可を受けることで、住宅や事業所などを建築できる場合もあります。

注意したいのは、土地を購入できることと、購入した土地に希望する建物を建てられることは別問題だという点です。

購入後に「建物を建てられない」「希望する用途では許可が取れない」と判明することを防ぐためにも、契約前に土地の状況を確認しておくことが重要です。

この記事では、市街化調整区域の土地を購入する前に確認しておきたい5つのポイントを解説します。

1.市街化調整区域とは?

市街化調整区域とは、都市計画法に基づき、市街化を抑制すべき区域として定められた場所です。

無秩序に住宅や店舗などが建築されることを防ぎ、計画的なまちづくりを進めることを目的としています。

そのため、市街化調整区域では、原則として開発行為や建築行為が制限されています。

例えば、次のような計画を考えている場合には注意が必要です。

  • 住宅を新築したい
  • 中古住宅を購入して建て替えたい
  • 事務所や店舗を建築したい
  • 資材置場や駐車場として土地を利用したい
  • 工場や倉庫を建築したい

これらの計画が必ずしも認められないわけではありませんが、土地の場所や利用目的、申請者の状況などによって、必要な手続きや許可の見通しが異なります。

2.市街化調整区域の土地を購入する前に確認すべき5つのポイント

① 希望する建物を建築できる土地なのか

最初に確認したいのは、その土地に希望する建物を建築できるかどうかです。

市街化調整区域では、都市計画法第34条などに定められた基準を満たさなければ、原則として開発許可を受けることができません。

また、土地の造成などの開発行為を伴わず、建物を建築するだけの場合でも、都市計画法第43条に基づく建築許可が必要となる場合があります。

例えば、次のようなケースが考えられます。

  • 一定の条件を満たす分家住宅
  • 周辺地域の住民が利用する店舗や施設
  • 農業に関連する施設
  • 自治体の条例や審査基準に適合する住宅や事業所

ただし、許可基準は一律ではありません。都道府県や市町村によって運用や審査基準が異なるため、他の地域で建築できた土地と同じ条件で許可が認められるとは限りません。

土地の所在地だけでなく、何を建てるのか、誰が建てるのか、どのように利用するのかを具体的に整理して確認する必要があります。

② 過去にどのような許可を受けている土地なのか

市街化調整区域の土地では、過去の開発許可や建築許可の履歴が重要になることがあります。

例えば、以前に住宅が建築されていた土地であっても、その住宅がどのような経緯で建築されたのかによって、建て替えや用途変更の取り扱いが異なる場合があります。

また、過去に開発許可を受けている土地であっても、許可された内容や予定建築物の用途、許可条件などを確認する必要があります。

特に注意したいのは、次のようなケースです。

  • 以前は住宅が建っていたが、現在は更地になっている
  • 中古住宅を購入して建て替えたい
  • 以前の所有者とは異なる用途で建物を利用したい
  • 許可を受けた人とは別の人が土地を購入する
  • 既存の建物を事務所や店舗として利用したい

例えば、以前の所有者が住宅を建築できたからといって、購入者も同じ条件で住宅を建築できるとは限りません。

許可の内容によっては、建築できる人や用途に制限が設けられている場合があるためです。

土地の購入前には、過去の許可履歴や建築経緯についても確認しておきましょう。

③ 農地の場合、農地転用の許可を受けられるのか

購入を検討している土地が田や畑の場合は、都市計画法だけでなく農地法の確認も必要です。

農地を住宅用地や駐車場、資材置場などとして利用する場合には、原則として農地法に基づく手続きが必要になります。

例えば、次のような手続きが考えられます。

  • 農地法第3条許可:農地を農地のまま売買する場合など
  • 農地法第4条許可:自分が所有する農地を転用する場合
  • 農地法第5条許可:農地を転用する目的で売買する場合など

さらに、その農地が農業振興地域内の農用地区域、いわゆる「青地」に該当する場合には、農振除外の手続きが必要になることがあります。

農振除外が認められなければ、その後の農地転用手続きに進めない場合もあります。

つまり、農地を購入して住宅や事業所を建築したい場合には、次のような手続きの見通しを確認する必要があります。

  • 農振除外が必要か
  • 農地転用の許可が見込めるか
  • 都市計画法上の開発許可や建築許可を受けられるか

農地転用ができる土地であっても、都市計画法上の許可が受けられなければ、希望する建物を建築できない可能性があります。

農地の場合は、農地法と都市計画法の両方から確認することが重要です。

④ 接道や排水など、土地の条件に問題はないか

希望する建物を建築できる見込みがあっても、土地の形状や周辺環境によって計画の変更が必要になる場合があります。

特に確認しておきたいのが、道路や排水の状況です。

  • 建築基準法上の道路に適切に接しているか
  • 敷地への出入口を確保できるか
  • 雨水や生活排水の排水先を確保できるか
  • 道路の幅員や側溝の状況に問題はないか
  • 上下水道や給排水設備を整備できるか

また、土地の造成や盛土、擁壁の設置などが必要になる場合には、別途、関係法令に基づく確認や手続きが必要になることもあります。

土地の価格や広さだけで判断せず、実際に予定している建物や土地利用計画を実現できる条件が整っているか確認しましょう。

⑤ 購入後に予定している用途で利用できるのか

土地を購入する際には、現在の土地の状態だけでなく、購入後にどのように利用する予定なのかも重要です。

例えば、次のようなケースです。

  • 住宅として利用する予定だったが、事務所としても使用したい
  • 既存の建物を購入して店舗として利用したい
  • 駐車場として購入した土地に、後から倉庫を建築したい
  • 事業拡大に伴い、既存の敷地を拡張したい

市街化調整区域では、建築物の用途変更や建て替えについても制限を受ける場合があります。

また、許可を受けた際の用途や条件と異なる利用をする場合には、改めて行政との協議や許可が必要になることがあります。

購入時点での計画だけでなく、将来的な利用方法も含めて確認しておくことをおすすめします。

3.市街化調整区域の土地は、購入してからでは遅い?

市街化調整区域の土地は、市街化区域の土地と比べて価格が安く設定されていることがあります。

そのため、土地の価格を重視して購入を検討する方もいらっしゃいます。

しかし、購入後に希望する建物を建築できないことが判明した場合、土地を購入した費用だけでなく、設計費用や調査費用なども無駄になってしまう可能性があります。

また、売主や不動産会社から「住宅が建てられると聞いている」「以前も建物が建っていた」と説明を受けていても、それだけで建築できると判断することはできません。

市街化調整区域では、土地ごとの条件に加え、建築する人や建物の用途なども審査に関係するためです。

そのため、土地の購入を決める前に、予定している土地利用が可能なのかを行政に確認しておくことが大切です。

4.土地購入前の事前調査で確認しておきたいこと

市街化調整区域の土地を購入する場合、事前に次のような事項を調査しておくと安心です。

  • 市街化区域・市街化調整区域の区分
  • 都市計画法上の開発許可・建築許可の可能性
  • 過去の開発許可や建築許可の履歴
  • 農地法上の手続きの必要性
  • 農業振興地域・農用地区域の該当状況
  • 接道・道路・排水の状況
  • その他、土地利用に関係する法令や条例の制限

これらの調査を行うことで、購入予定地にどのような制限があるのか、希望する土地利用を実現するためにどのような手続きが必要なのかを整理できます。

ただし、資料上の確認だけでは判断できない場合もあります。必要に応じて、開発許可担当課や農業委員会などの関係行政機関と協議することも重要です。

5.市街化調整区域の土地購入前の調査は、行政書士KS事務所にご相談ください

行政書士KS事務所では、農地転用・農振除外・開発許可など、土地利用に関する手続きを専門に取り扱っています。

市街化調整区域の土地についても、購入前の事前調査から、必要となる許認可手続きまでサポートしています。

例えば、次のようなご相談に対応しています。

  • 市街化調整区域の土地を購入して住宅を建てたい
  • 事業用地として土地を購入したい
  • 農地を購入して駐車場や資材置場として利用したい
  • 購入予定地に開発許可が必要か確認したい
  • 農振除外や農地転用が可能か調べたい
  • 不動産会社やハウスメーカーから土地の調査を依頼したい

弊所では、土地の所在地や地目、予定している利用目的などを確認したうえで、関係法令や行政の審査基準を調査し、土地利用の可能性を整理した事前調査報告書を作成しています。

また、調査後に農地転用や農振除外、開発許可などの申請が必要となる場合も、引き続き対応可能です。

土地を購入してから後悔しないためにも、購入契約を結ぶ前に一度ご相談ください。

土地購入前の事前調査について

事前調査の内容については、以下のページをご覧ください。

お問い合わせ

農地の購入や住宅建築をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。

土地の所在地と利用目的をお知らせいただければ、必要な調査や手続きについてご案内いたします。

行政書士KS事務所

対応地域:群馬県・埼玉県を中心に対応

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