

こんにちは。群馬・埼玉を中心に農地系の手続きを専門とした行政書士:亀川のぞみ、宅建士:清水美穂です。
今回は、青地の農業用倉庫について、私たちなりにわかりやすく解説いたしました。
詳しく見ていきましょう!!
青地(農用地区域)とは?
農地には「白地」と「青地」があります。
- 白地農地:比較的転用がしやすい
- 青地農地(農用地区域):農業振興地域の中で農業に使う土地として指定されており、原則転用できない
駐車場や住宅にしたい場合、まずは「農振除外」という手続きで青地から外す必要があります。
農業用倉庫は転用不要?
農業に使う施設(農機具置き場、収穫物の一時保管庫、肥料・資材倉庫など)は、農業を営むための施設です。
そのため「農地を農地以外にする転用」には当たらず、農地転用許可は不要とされています。
しかし、それが許されるのは白地の農地に限られます。
農業用地域(青地)に指定されている場合は、別の壁が立ちはだかります。
青地に倉庫を建てるには「農振除外」が必要
青地(農用地区域)は「農業を守るために残す」と市町村が計画で線を引いている土地です。
ここに建物を建てるには、まず農用地区域から外す=農振除外申請が必要になります。
- 申請は市町村が窓口
- 審査は年に1〜2回しか行われない
- 「本当に農業に必要な施設か?」を厳しくチェックされる
農振除外は簡単ではありません。周辺の農地利用や営農計画との整合性も見られるため、必要性を説明できる書類づくりが重要になります。
農振除外申請の流れ
- 事前相談(市町村・農業委員会)
施設の用途・規模・建設位置を確認し、申請が可能かどうか打診。 - 申請書の提出
・農振除外申請書、位置図、公図、営農計画書、施設の配置図などを添付。
・「農業に本当に必要であること」を説明できる資料が肝。 - 審査(市町村・県)
・周辺の農業振興計画との整合性を確認。
・原則として年1〜4回しか受付されないため、タイミングを逃すと半年〜1年先送りになることも。 - 農振除外決定
農振除外が認められれば、その土地は青地から白地に変更される。 - 農地法の手続き(農業用施設設置届)
農振除外後、「農業用施設を建てる」旨の届出を行う。 - 建築基準法の確認
建築確認申請も必須。
注意点
- 施設を「農業用」として申請しても、実際は資材置き場や車庫に流用すると無断転用扱いになります。
- 除外が通ったからといってすぐ建てられるわけではなく、建築のハードルも残ります。
- 農振除外は時間がかかるため、営農計画に合わせて早めの準備が必須です。
よくある質問(Q&A)
農振除外にどれくらい時間がかかりますか?
市町村によりますが、申請から決定まで半年〜1年程度かかることが多いです。受付は年に1〜4回のため、タイミングを逃すとさらに延びることがあります。
施設を農業用として申請して、後から車庫や資材置き場に使っても大丈夫ですか?
ダメです。用途を変えると無断転用扱いになり、是正指導を受ける可能性があります。あくまで農業用に限定されます。
白地なら本当に農振除外も転用許可も不要ですか?
はい、白地の農地であれば農振除外は不要です。ただし農地法の「農業用施設設置届」が必要です。また都市計画法・建築基準法による制限は受けます。
境界に争いがある土地や、登記簿と現況に差がある土地では測量費用が発生する可能性が高いです。
青地に建てたい場合、農業委員会に直接行けば申請できますか?
多くの市町村では、まず市役所の農政課(農林課)や農業委員会事務局に事前相談が必要です。そのうえで必要書類を揃えて申請します。
まとめ
- 白地農地なら農振除外は不要で、農業用施設は届出で建設可能。
- 青地に建てたいなら農振除外が必須で、審査は厳しく、期間も長い。
- 実際には農業委員会・市町村への事前相談が不可欠。
農業用施設を建てるのは単なる建築工事ではなく、農業政策との折り合いをつける手続きでもあります。
「早めに動くこと」と「本当に農業に必要な施設だと説明できること」が成功のカギです。
農地の手続きには専門的な知識と行政への申請が欠かせません。ご自身で判断するのが難しい場合は、農地手続きに精通した行政書士にご相談ください。
農地の転用でお困りですか?
農地転用は、法律・地域ルール・土地の状態など、複雑な条件が絡みます。
少しでも迷ったら、行政書士などの専門家に早めに相談するのが安心です。
私たちは、農地系申請に特化した行政書士・宅建士として、群馬・埼玉県を中心に農地転用の相談・申請代行を多数行っています。初回相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。
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